嫌われる勇気とは?-アドラー心理学について考える- 他者の課題を切り捨てる
続いては、嫌われる勇気の第3章について考えていきます。
前回の話を読んでいない方は是非こちらを↓
5.嫌われる勇気 第3章 他者の課題を切り捨てる
自由に生きるためには、第3章で述べられていることが重要となってきます。
5.1-2「課題の分離」とは何か、他者の課題を切り捨てよ
自由に育るうえで重要なのが「課題の分離」です。
「課題の分離」とはある課題が、自分の物なのか、他者の物なのかを分離して考えることです。そして、「他者の課題には踏み込まない」(岸見、2013)が重要です。
例えば、あなたが友人と仲良くしたいときを考えてみましょう。
このとき、あなたは、友人に仲良くしようと働きかけるでしょう。
あなたは、友人が仲良くしてくれるだろうか、嫌われてはいないだろうか悩むのではないでしょうか。
ここで生じる課題とは、友人があなたを受け入れてくれるかどうかです。
では、この課題は誰の物でしょうか?
この課題は、友人の課題です。なぜなら、友人があなたを受け入れてくれるかどうかは、あなた自身ではどうにもならないことであり、友人次第です。
そのため、あなたは、このことで悩む必要はありません。悩んだところでどうしようもないのですから。
本書では、
あらゆる対人関係のトラブルは、他者の課題に土足で踏み込むこと-あるいは自分の課題に土足で踏み込まれること-によって引き起こされます。(岸見、2013)
馬を水辺に連れていくことは出来るが、水を飲ませることは出来ないということです。
他者の課題を切り捨てて、自分の課題と向きうことで、自分の人生に集中することが出来、シンプルに生きることが出来ます。
5.3 本当の自由とは何か
本当の自由とは何でしょうか?
他者の課題を切り捨てて、自分の人生をことは、自分勝手に見られがちです。
しかし、自由に生きるためにはその自分勝手にみられるかもしれないリスクを受け入れることが必要なのです。
すなわち、「自由とは嫌われることである。」(岸見、2013)
他者の評価を気にかけず他者から嫌われることを怖れず、承認されないかもしれないというコストを支払わない限り、自分の生き方を貫くことは出来ない。つまり、自由になれないのです。(岸見、2013)
これは、積極的に嫌われることではありません。嫌われるということを許容、受容するということです。
そして、これが本書の題名伴っている「嫌われる勇気」なのです。
5.4 まとめ
今回は、課題の分離によって、自分の課題か他者の課題かを考え、自分の課題向き合うこと、自分の人生を生き、嫌われる勇気を持つことが必要であるということがまとめとして言えそうです。
参考:岸見一郎、古賀史健『嫌われる勇気』ダイアモンド社 2013